カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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肝臓病とカルシウム

肝臓病には、ウイルスによって起こる血清肝炎、さらに症状が進んで起こる肝硬変、さらに肝ガンなどの種類があります。またお酒をよく飲む人は、アルコールによる肝炎や、脂肪が肝臓にたまる脂肪肝になりやすいほか、薬や化学物質によって肝臓の細胞が傷つけられると薬性肝炎になります。

肝臓の細胞が傷つけられると、外部から細胞を守っている細胞膜の働きが悪くなり、細胞の外にたくさんあるカルシウムが細胞の中に入ってきてしまいます。もし、たくさんのカルシウムが入ってしまうと、肝臓の細胞は死んでしまいます。これが急性の肝臓壊死です。このような場合のほかでも、肝臓の細胞が傷害を受けた場合には、必ずカルシウムが細胞の外から中に入ってきます。こうなると免疫の働きが狂ってしまい、細菌などと同じように肝臓細胞まで攻撃してしまいます。このような行き過ぎの免疫作用を起こしやすい体質は、遺伝する傾向があるといわれています。

ウイルス性肝炎にかかると、症状がどんどん進んで慢性肝炎、肝硬変、さらに肝ガンにまでなる人がいる一方、肝炎になっても比較的はやく治ってしまう人もあります。このような違いは、無理をしたり、充分に治療しないことも悪化の原因ですが、遺伝的体質、なかでも免疫の仕組みの遺伝によることも分かってきました。

免疫的な働きで細胞が傷つくときにも、カルシウムが細胞の外から中に流れ込むことは同じです。流れ込みやすくなるのはカルシウムの欠乏が原因ですから、カルシウムを充分に摂取すれば肝臓の病気が進むことを予防できると考えられます。免疫の働きにしても、カルシウムの摂取量が不足すると免疫の働きが暴走して自己免疫現象が起きるということが考えられます。ですから、肝臓病を悪化させないためにも充分にカルシウムを摂ることが大切なのです。