カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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貧血とカルシウム

カルシウムの摂取量が不足すると、副甲状腺ホルモンがたくさん分泌されて骨からカルシウムを取り出します。こうなると体中にカルシウムがあふれ細胞の中まで入り込みますが、これは貧血の成り立ちにも関係があります。

腎臓の働きが悪い腎不全の患者さんは貧血が起きることで知られていますが、その原因の一つに腎臓でのビタミンDの合成が足りないために腸からカルシウムを吸収することができず、カルシウムが不足するので、このために増加した副甲状腺ホルモンが血液の赤血球の中にカルシウムを取り込ませたり、赤血球の膜の抵抗を減少させて溶血を起こさせ、貧血を起こすことが分かってきたのです。

従って、活性型ビタミンDを補ったり、充分なカルシウムを摂ると、副甲状腺ホルモンの分泌が少なくなり、貧血もよくなります。お年寄りにみられる貧血の中にも、同様にカルシウムの摂取量が不足しているために起こるものがあり、カルシウム剤を飲むとよくなる場合があります。もちろん、鉄が不足するために起こる鉄欠乏性貧血は、鉄を補わなければよくなりません。