カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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子供の身長とカルシウム摂取

戦前までの日本の食事では、成長期に大切な栄養素で、骨の重要な構成分でもあるカルシウムが食べ物の中に充分含まれていませんでしたので、背が高くなれないのも無理からぬことといえました。戦後になって、牛乳やチーズを多く食事の中に取り入れるようになり、現在では戦前に比べるとカルシウム不足の程度は軽くなっています。このためか最近の平均身長は高くなり、「日本人は背が低い」というようなこともいわれなくなりました。

お父さんが息子を、お母さんが娘を見上げて嬉しそうに笑っている姿は、日本人の身長が次第に高くなっていることを示すほほえましい情景です。このような日本人の身長の伸びを実現したのは、一般的な栄養が改善された結果であることもありますが、主として食べ物から摂るカルシウムの量が増えたことによるものであるといわれています。

カルシウム不足が原因で身長が伸びない人は、カルシウムを充分に摂ることで身長は高くなります。もちろん、身長が低い原因はほかにもたくさんありますので、身長の低い人がすべてカルシウム不足というわけではありません。身長の高さは、生まれつきの遺伝も大きな役割を果たし、これを簡単に変えることはできないでしょう。また生まれつきの骨の病気、成長ホルモンや甲状腺ホルモンなど骨が発育するために必要なホルモンが不足しているときには、たとえカルシウムを充分に摂っていても身長が高くならない場合があります。しかし、これら成長ホルモンの分泌も、その働きも、支えているのはカルシウムですので、カルシウムがなければ成長ホルモン等が分泌されても効果はありません。従って、お子様の身長がなかなか伸びないときには、カルシウムの摂取量が不足しているのではないかと考え、カルシウムを補ってみることは大切なことです。