カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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血管の若さを保つために

年をとると血管の中にカルシウムが増えて、動脈硬化の引き金になります(壮年期4「動脈硬化」を参照ください)。心臓や脳の働きは健康でも、そこに血液を送る血管が動脈硬化を起こしてしまえば、心筋梗塞など恐ろしい病気になってしまいます。体中に血液を送っている血管の若さは、人の寿命や体全体の若さをも左右する一つの鍵を握っているといえます。

動脈硬化と高血圧をいっしょにもっている人が多いことはよく知られています。動脈硬化が起こるのは、カルシウムが血管の内弾性板にたまることのほかに、血管の壁が強い力で引っ張られて血管の壁が傷むことと関係があります。また高血圧になると動脈の壁にいつも強い力が加わるため、これによっても血管の内弾性板に切れ目ができ、さらに酸素の供給も不足して血管はますます傷つき、動脈硬化が起こりやすくなります。また動脈硬化があると、血管が固いために心臓が送り出す血液をうけとめることができず血圧が高くなります。従って、カルシウムの欠乏は高血圧と動脈硬化の両方の原因になり、両方が悪化する悪循環を招くことになります。