カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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糖尿病とカルシウム

糖尿病は、時々のどが乾いたり、体がだるいぐらいでほとんど症状がないことが多いのが特徴です。しかし糖尿病が進むと、血管の大小を問わず動脈硬化が起こり、眼底の血管が破れて失明したり、足の血管がつまってしまったり、腎臓の働きがなくなったり、神経の働きが落ちたりする怖い病気です。

糖尿病の原因は、インスリンというホルモンが足りなくなることです。不足の原因には、体の中にインスリンが全くない場合、あるいは太りすぎてインスリンの分泌が間に合わない場合、インスリンの働きを阻害するものが体の中に出てくる場合などがありますが、いずれにせよ糖尿病の鍵がインスリンにあることは間違いありません。

インスリンは食物が体の中で消化されてブドウ糖になったとき、これを細胞の中に取り入れてエネルギーとして利用するために必要なホルモンです。もしインスリンの働きが悪いと、ブドウ糖を利用することができず、血液中のブドウ糖の濃度が高くなります。血液中の糖が高いと、尿にも自然にもれてきますので、糖尿病という名がつけられているのです。ブドウ糖がうまく利用されないと、コレステロール等の脂質も影響を受けて血液中のコレステロール値が高くなり、動脈硬化の原因となります。

お年寄りにみられる糖尿病の多くは、インスリンを分泌する量が少ないわけでもないのに、体のインスリンの必要量が満たされないケースです。これはまさにインスリン分泌に関する情報を伝え、これに応える働きが衰えていることが原因と考えられ、情報を伝えるカルシウムの作用が弱くなっているからだと考えられます。