カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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肩こりとカルシウム

肩こりは、はっきりと説明できない病気ですが、実際に肩がこっている時に、こった所を押さえてみると筋肉が固くなっています。これは筋肉がけいれんを起こし、強く緊張しているためです。けいれんは血液の循環、つまり血のめぐりが悪くなると起こります。これは恐らく酸素が足りなくなって細胞膜の防壁としての力が弱くなり、カルシウムが大量に細胞の中に入ってきたことが原因と考えられます。筋肉の収縮には必ずカルシウムが必要ですが、カルシウムが筋肉に入りすぎるとけいれんを起こして、縮んだまま伸びなくなってしまうのです。けいれんのもう一つの原因として、血液中のカルシウムの減少があります。この仕組みはまだよく解明されていませんが、恐らく筋肉の中ではカルシウムがむしろ増えすぎて、けいれんが続き、止めることができなくなるからだと考えられています。

肩がこった時には、周辺の血のめぐりが悪くなっていることは確かで、その証拠にマッサージなどで血液の循環を良くすると肩のこりも良くなることが多いことはよく知られています。血管はいつも同じ太さではなくゴム管のように伸び縮みします。血管の壁には筋肉があり、この筋肉が縮むと血管は狭くなり、ゆるむと広くなります。この筋肉は、腕や足のように自分の意志で自由に伸縮させることはできず、自律神経によって体の必要に応じて自動的に調節されます。カルシウムがこの中に入ると、筋肉は縮んで血管が狭くなってきます。従って、肩のこりは筋肉のけいれんにしても、この原因となっている血液循環の障害(血のめぐり)にしても、細胞の中にカルシウムが入ってくることと密接な関係があるのです。