カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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慢性関節リウマチとカルシウム

リウマチは、一般的には腰や肩、指など関節や筋肉の痛みをさしますが、その原因はさまざまで複雑です。リウマチ・神経痛とひと言でいわれるように、何らかの炎症が慢性的に続いて痛みを起こすのが特徴です。しかし医学の進歩により、さまざまな病気の区別がはっきりとしてきた結果、今では主に子供にみられるリウマチ熱と、成人の特に女性に多く見られる慢性関節リウマチだけがリウマチと呼ばれるようになりました。

成人女性に多い慢性関節リウマチは非常に厄介な慢性の病気です。朝起きたときの強い関節のこわばりと痛みが特色で、全身のほとんどの関節をおかし、慢性の痛みと関節の変形が起こります。この病気は、ほかの原因による関節炎に比べて関節の周りの骨を中心に、骨が薄く弱くなることが知られています。

この場合も、カルシウム不足からはじまる悪循環が起きていることが考えられます。つまりカルシウムが不足しているために免疫の働きに異常が起こり、自己免疫による膠原病として慢性関節リウマチになる。さらに症状が進むと、再びカルシウムの不足とビタミンDの働きが鈍くなり、ますます悪化していくことが考えられます。

このような悪循環を断ち切るためには、まずカルシウムを充分に摂ることと、活性型ビタミンDによる治療をすることが必要です。実際、慢性関節リウマチの患者さんでは、ビタミンDの働きが弱く、カルシウムの腸からの吸収能力が低下しています。また、血液中のカルシウム濃度が少し低く、副甲状腺ホルモンが少し多く出ていますが、これはカルシウムが不足して副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを取り出すというパターンに似ているようです。