カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

時間割へ戻る 2限目に進む
 

恐ろしい自己免疫病

自己免疫病は、本来、体に有害な細菌やウイルスなどを攻撃する免疫細胞が相手を間違えて味方であるはずの自分の体の一部を壊しはじめる病気です。このような自己免疫現象が、血管や結合組織などに起き、膠原病や血管炎となることもあります。

免疫をつかさどるリンパ球の中には、間違ったことをしている細胞を抑えて、正しい働きにもどす作用のあるものもありますが、自己免疫病や膠原病は、このようなリンパ球の抑止力が足りないために自己免疫現象が起きているとも考えられます。一方、カルシウム摂取量が不足すると、これを補うために骨からカルシウムが溶け出しますが、返って体の中にカルシウムがあふれてしまい、細胞の中にまでカルシウムが入り込んで抑制リンパ球の働きを鈍くさせていることも原因の一つと考えられます。

免疫の仕組みは非常に複雑で、カルシウムの働きだけで簡単に割り切ることはできませんが、細菌、活性型ビタミンDに免疫の仕組みを調節する働きのあることが分かってきました。活性型ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収を促進してカルシウムの利用を高める作用のほか、免疫をつかさどる細胞の内外のカルシウム分布や濃度差も維持し、免疫細胞が形を変えたり、お互いに連絡を取り合う際にも直接影響を与えているといいます。

つまり充分なカルシウムと活性型ビタミンDを確保することは、免疫の異常のために起こるさまざまな病気の予防などに役に立つと考えられます。