カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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てんかんとカルシウム

全身のひきつけ、けいれんの発作を起こすてんかんは、脳に非常に強い異常電流が流れるために起こるものです。意識がなくなって全身がけいれんする大発作のほか、小発作や精神的な面に限られた精神運動発作など、脳波を調べなければあまり目立たないものもあります。脳に異常な電流が流れる原因は色々ありますが、生まれつきの異常のほか、頭を強打して脳に傷が残ってしまうことが原因になることがあります。

幼い頃からてんかんが起き、生まれつきの脳の異常ではないかと考えている方が多くいます。しかし、このような方の中には、実は脳の代謝の異常ではなく、副甲状腺ホルモンの働きが悪いことが原因になっている人も含まれています。低カルシウム血症のために起こっているてんかんでは、血液中のカルシウムを測定すると通常よりも低い値になります。血液中のカルシウム濃度が低いためにてんかんが起きている場合は、それを高めることのできる活性型ビタミンDを飲むことによって濃度を正常値まで上げれば、てんかんの方も良くなります。長い間てんかんで困っておられる方は、このような可能性もあることを考えて、一度血液中のカルシウム濃度を測ってみることをおすすめします。

また逆に、てんかんの薬を長年にわたって飲み続けた結果として、血液中のカルシウム量が減っていることもあります。その以外にも、非常にたくさんの病気診断の最初の鍵を血液中のカルシウム測定が握っていますので、どんな病気でも血液中のカルシウムは必ず測る方が良いと考えられます。