カルシウム健康教室 1限目「カルシウムの働き」

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タンパク質の摂りすぎに注意

食物の中にカルシウムがどれだけ含まれていれば良いかということは、実は栄養学者の間でも意見が分かれている難しい問題です。カルシウムのことだけを考えても充分ではなく、ほかの食物の成分、ことにタンパク質やリンとの関係が大切です。カルシウムをある程度摂っていても、タンパク質をたくさん摂ると尿の中にカルシウムがどんどん出てしまい、体の中にカルシウムが残らないからです。このため、例えば同じ600mgのカルシウムを摂っても、タンパク質を摂る量が少なければ充分でも、大量のタンパク質を食べるとカルシウム不足に陥るということも考えられます。

リンが食物の中にたくさん含まれすぎていると、カルシウムの腸からの吸収を妨げ、カルシウムが不足してしまうということが起こります。タンパク質も、リンも、近年の子供たちは食べ過ぎといえるほど摂っていますが、カルシウムの摂取量は余り増えていません。そのために、以前は何とか足りていたカルシウムが慢性的に不足した状態になっています。

カルシウムを吸収しやすくするためには、ある程度の運動と、日焼けをするくらい日光に当たることが必要です。もちろん、最も大切なことは、タンパク質やリンの摂取量に見合う量の充分なカルシウムを摂ることです。